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第110巻11号 協会だより

10月1日の「日本酒の日」、本年は午後7時30分を期して、全国一斉に日本酒で乾杯が行われ、日本各地の会場のみならず、海外の会場も含めて盛会の様子が、ネットワークを通して同時中継されました(下写真)。10月は当会にとっても行事の多い月で、6~7日には日本醸造学会が、12~15日には、第9回国際酒文化学術研討会が開催されましたので、概要をご紹介しました。

 
 
 
 
 
 
 
◆平成27年度日本醸造学会大会
10月6・7日の両日、東京都北区・北とぴあで開催されました。昨年、一昨年と大型台風に翻弄されましたが、本年は、天候に恵まれ、学会参加者240(前年253)名、一般講演申込み32(35)題、懇親会参加者149(146)名とほぼ昨年と同等の参加をいただきました。特別講演は、東北大学、都築 毅先生による「伝統的日本食の健康機能について」と題し、世界一長寿国である日本が、最近の食生活では、その地位を保てないとのこと、本来の日本食をもう一度見直してみる必要があるようです。直前に、大村智先生のノーベル医学・生理学賞受賞が決定され、微生物分野からの受賞ということで懇親会で大きな話題になっていました。
 
◆第9回(2015年)国際酒文化学術研討会が開催
2015年10月12-13日学会、14日、見学会の日程で、山西省太原市晋祠の晋祠賓館で、約200名の参加者の下、開催されました。日本からの参加者は20名で、12名の講演発表がありました。以下に、論文題名と発表者のみ、論文集掲載順に紹介しました。なお、次回 第10回は、2018年、開催国日本で、鹿児島を予定しております。
☆清酒造りのこれまでとこれから 秦 洋二(月桂冠株式会社 総合研究所)
☆大麦焼酎の香気成分とその官能特性 大石雅志、今永宏樹(三和酒類株式会社 三 和研究所
☆焼酎とスピリッツの香気成分 福田 央 (独立行政法人 酒類総合研究所)
☆焼酎の新商品開発と新展開の事例 鮫島吉廣(鹿児島大学農学部附属焼酎・発酵学 教育研究センター)
☆清酒酵母の機能性成分高蓄積機構の解析 金井宗良、正木和夫、 藤井力、家藤治 幸(独立行政法人 酒類総合研究所)
☆有色米や穀類を原料にしたアルコール飲料の特性 寺本祐司(崇城大学 生物生命  学部 応用微生物工学科)
☆清酒の安全性と品質安定性のための清酒酵母の自然発生的変異株の分離 田村 博 康、平田 大(朝日酒造株式会社・研究開発部、広島大学大学院先端物質科学研究 科)
☆芋焼酎醪に生息している乳酸菌の単離と酒質に与える影響 宮川博士、河野邦晃、 岩井謙一、高瀬良和(霧島酒造株式会社)
☆少量エタノール摂取の健康への影響 伊豆 英恵、加藤 範久(独立行政法人 酒 類総合研究所)
☆日本の麴と中国の麯(曲) 岡崎 直人(公益財団法人 日本醸造協会)
☆日本の発酵食品に含まれている麹セラミドの機能性について 譚政、浜島弘史、永 尾晃治、光武進、北垣浩志(国立大学法人 佐賀大学)
☆鹿児島大学における焼酎・発酵学教育の現状 髙峯和則(鹿児島大学農学部附属焼 酎・発酵学教育研究センター)