ご氏名をお願いします
クリス・ピアス(Chris Pearce)
ご所属
NPO Joy of Sake オーガナイザー、国際酒会 理事、World Sake Imports 社長
代表商品
思い出の醸造物or 好きな醸造物or最近はまっている醸造物などを一品教えてください
ホノルル酒造の「宝正宗」
その理由は
約35年前、当時まだパウオアバレーにあったホノルル酒造に、私の恩師、故・二瓶孝夫先生を訪ねた時、このお酒を初めて味わいました。ホノルル酒造が1994年にその歴史の幕を閉じるまで、「宝正宗」は長い間ハワイの人々にとってお気に入りのお酒でした。
ホノルルの水質は酒造りに適しており、「宝正宗」はその水を使って造られたホノルル酒造の一級酒でした。(二級酒は「フラ正宗」という銘柄でした。)ホノルル酒造の酒質改善のために日本から招致された二瓶先生は、その時代で最も優れた醸造技術者の一人で、泡なし酵母を使って恒常的に販売用のお酒を造った初めての人です。初めて口にした「宝正宗」の味は、やや辛口で豊かな旨味があり、尚且つバランスが取れていて、とても飲みやすかったのを覚えています。
「酒というものは寿司や刺身に合うだけではなく、ハワイアンフードやホットドッグなど、人々が普段から食べるような料理にもよく合う味でないといけない。」二瓶先生はよくこうおっしゃっていました。
ご略歴
両親の仕事の関係で、日本には1958-78年に13年間居住。
ハワイに引っ越して来てから、周りの日本酒愛好家とともに国際酒会を発足し、米国での日本酒普及活動に携わる。その後、出会った故・二瓶孝夫先生を酒会の顧問に迎える。二瓶氏の没後、その功績を称える意思も込めて、全米日本酒歓評会とその一般公開利き酒会、ジョイ・オブ・サケのスタートを発起。酒会のメンバーとともにこの2つのスタートを2001年に実現した。
また、一方、日本酒好きが高じて、ビジネスとして米国で日本酒輸入業の免許を取得し、1998年にWorld Sake Imports社を設立。現在も同社の社長を務める。
趣味
山田正一先生が国税庁醸造試験所(現独立行政法人酒類総合研究所)の所長でいらっしゃった1950-60年代頃の、多くの研究者による重要な日本酒の研究資料を読んで学ぶことが好きです。日本酒は学べば学ぶほど、さらに学ぶべきことが出てきます。
ただ、一つ気をつけているのは、酒が中心の生活なので、健康維持のためにエクササイズを怠らないようにすることです。ですので、趣味というほどではありませんが、週に数回はジムや屋外で運動をするようにしています。
ご紹介者・宇都宮様からのメッセージ
ハワイで生まれた「国際酒会」の活動が、優れた日本酒を海外の方に楽しんでいただくきっかけになったことは言うまでもありません。来日されるたびに飲みに行きますが、レトロな居酒屋で酒の話を始めるととまりません。これからも日本酒のおいしさを発信していきましょう。
宇都宮様へメッセージを!
宇都宮先生は日本酒に関する知識が豊かで、一緒に飲むととても楽しいです。
そして、2時間の講義に値する講演料を払っても良いと思うぐらい勉強になります。しかし、店を出るときはいつも割り勘になるので、私はいつも得をさせてもらっています(笑)。
今後の抱負や今後へ期待すること
米国人で日本酒の官能評価ができる人材を育成することです。酒類総合研究所の行なっている清酒官能評価セミナーの短縮・英語版を過去3回ホノルルで開催していますが、今後もっとこのセミナーを充実させ、また回数を増やして, 米国で正しい審査が出来るように人材のスキルアップの手助けをしてゆきたいです。
告知など
今年18年目になる全米日本酒歓評会では、3月17日まで出品申込の受付をしております。昨年より全出品酒のグルコース濃度測定を行い、その濃度順に並べての審査を実施するなど、全米日本酒歓評会は、外国の審査でも高水準の審査を実施しています。また、歓評会に良質の日本酒を出品いただくことにより、その一般公開利き酒会であるジョイ・オブ・サケにて、消費者に良いお酒を紹介できることにもなります。今年のジョイ・オブ・サケはロンドンでの初開催を含め、世界4都市で4000名以上の来場を予想しておりますので、ぜひ多くのご出品をお待ちしています。
リンク
全米日本酒歓評会ホームページ
THE JOY OF SAKEホームページ