ご氏名をお願いします
石田 敬三(いしだ けいぞう)
現在のご所属
松瀬酒造株式会社 取締役 杜氏
代表商品
「松の司」
思い出の醸造物などを一品教えてください
Domaine Berlancourt のBourgogne Blan ‘Cuvee Equinces’とBourgogne Rose ‘Cuvee les Champans’
その理由は
3年前にフランスのブルゴーニュでワイン醸造家20人と日本酒の会をしました。あまりに的確に日本酒を試飲する父子がいて会が終わってから彼らのワインを飲んでみると恐ろしく上品で綺麗なワインたちでした。聞くと元は三ツ星レストランのソムリエだったそうです。縁あってフランス滞在中にBerlancourt家に招待されました。ムルソーにある彼らのお屋敷は7世紀から続くそうで素晴らしい建築です。本宅の中は古いものばかりでなく現代アートを取り入れた趣味のいい暮らし。改めてお酒が技術から生み出されるのではなく文化、歴史と造り手の暮らしから醸成されるものだと痛感しました。
ご略歴
昭和53年5月 生まれ
平成13年 高知大学農学部生物資源科学科 卒業
同年 松瀬酒造入社
平成21年 より杜氏を務める
平成25年 より取締役に就任
ご趣味
食べること飲むこと全般
ご紹介者・浅野様からのメッセージ
高知大学の学生だった石田さんの姿を今も記憶しておりますが、あの青年がと思うと、ずいぶん立派に大きく成長したなと感心しております。
荒削りな中にも繊細さを持った酒造りをしているのではないかと高知からみております。今後ももっと大きくなり良い酒造りしていくことを確信しております。
浅野様へメッセージを!
中学生時代から杜氏を志していました。そんな僕が実際に酒造りをされている方とお会いするのは浅野杜氏さんが初めてでした。そんな憧れの眼差しで浅野杜氏さんに自分の夢をお話ししたら考え直すことを勧められました。また協力出来ることはしてあげるとも言っていただきました。大学中退を決意して親にも当時の彼女(今の奥さん)にも説得済みでしたが、たまたまお会いした浅野杜氏さんに中退することを止めていただいたお陰で翻意することが出来ました。今は本当にそうして良かったと思っています。今でも浅野杜氏さんの鑑評会での成績や、講師、審査員としてのご活躍の姿を目にする度にあの二十年前と変わることなく僕の憧れの方です。卒業後、弊社に入社が決まった時にいただいたお手紙に「酒は造れて当たり前」とお言葉をいただきました。本当に何度も何度もその意味を思い返す昨今です。
最後に今後の抱負や期待することを教えて下さい!
造り酒屋は小さくとも一企業であり、自分も一会社員であるということはよくよく理解しています。ですから会社の営利と成長は一番の目的であるべきなのは当然です。しかし日本酒というものが単に商品であるということ以上に日本にとって日本人にとって特別な存在であるべきはずです。ですから会社員である以上に自分は一酒造工としてこれからも日本酒に対峙し、時代に流されないように売上に縛られないように日本酒のあるべき姿を常に考えてものづくりをしていきたいです。逆説的ですがそれを続けていけるように自分たちの好みと信念に嘘のない範囲で飲み手に受け入れられる難解でない酒造りをこれからもずっと模索していけたら幸せです。