ご氏名をお願いします
坂井 将之
現在のご所属などは?
市島酒造株式会社 研究室室長
代表銘柄
「王紋」 「夢」 「かれん」
思い出の醸造物 or 好きな醸造物 or 最近はまっている醸造物などを一品教えてください
純米酒「かれん」
その理由やその醸造物にまつわるエピソードをぜひ!
私が日本酒業界にお世話になり始めた平成8年は、新潟県の日本酒出荷量はピークを向かえ、その後、毎年減少していき、弊社も例外なく出荷量は右肩下り。
当時、20代後半の若者だった私は、同年代では珍しい大の日本酒党で、周りの友人達がどうしてこんなに美味しい日本酒を飲まないのか、どうしたら飲んで貰えるのかと常に考えていて、ちょっとした思いつきから低アルコール清酒の試作し始め出来上がったのが、私の商品開発第一号・純米酒「かれん」です。
試作を始めた季節は初夏で、また、試作用の麹も米もストックしてなかったので、麹は近所の手造り味噌屋から調達、米は飯米用のコシヒカリ、試験タンクはお掃除用のポリバケツ・・・(笑)、当時、弊社には冷凍機付きインキュベーター(恒温機)も無かったので、冷凍機のある酒の貯蔵庫に試作モロミの入ったポリバケツを置き断熱材巻いて品温管理。当然、品温経過は「ノコギリ刃」の如くジグザグ滅茶苦茶でしたが、以外とほぼ目論見通りの試作品ができ、商品の方向性が見出せた事から商品化へ着手、平成12BYの1000kgでの初仕込から、今年で商品化12年目を迎えました。
その後、オリゴ糖が従来清酒の約5倍入った「かれんsilk(シルク)」の開発、また、近年では「かれんsilk(シルク)」をベースに仕込んだリキュール梅酒「かれんプラム」を発売し、「かれんシリーズ」は弊社の低アルコール商品として定着するようになり、特に、「かれん」「かれんsilk」は、従来清酒と異なる味わいの為か、海外出荷も徐々に増え、弊社のグローバル商品となりつつあります。
ポリバケツの試作から生まれた純米酒「かれん」。私の商品開発第一号となった大変思い出深い商品となりました。
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ご略歴
昭和47年 東京都大田区生まれ
平成8年 東京農業大学醸造学科卒業 ・ 市島酒造株式会社入社
ご趣味
釣り、山菜採り、川ガニ捕り(独学で修行中)、自転車通勤(片道10km)、娘のミニバスの審判
最後に今後の抱負や期待することを教えて下さい!
近年、日本酒のはじめ、醗酵食品の健康への機能性が多く報告されています。多くの健康機能を秘めた日本酒の更なる品質向上と平行して、「日本酒」、「和」、そして「健康」イメージ等を意識したリキュールや食品を造って、日本酒の良さがより多くの人々に認識して貰えたら良いなと思います。
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